2月からスギ花粉が飛散し始めますね。高齢者は免疫力が低下するから花粉症になりにくいとか、花粉症の人は高齢者になると症状が軽くなるとか、以前は言われていました。しかし、現在は高齢者も花粉症になるというのが医学の通説になっているそうです。
 その主な原因は、花粉症の診断の仕方が変わったからです。10年以上前は65歳以上の方に鼻水やくしゃみといった症状が出ると花粉症ではなく血管運動性鼻炎いわゆる寒暖差アレルギーと診断されていました。しかし、現在はアレルゲン検査で抗原が花粉だと特定されれば、年齢を問わず花粉症と診断されます。
 花粉症は免疫の過剰反応ですが、だからといって免疫力を低下させていいわけではありません。むしろ免疫力を上げるための良質な睡眠、栄養バランスのいい食事、ストレスを溜めない、規則正しい生活といったことが高齢者になっても必要です。
 そして、高齢者だからこそ要注意なことがあります。花粉症と診断されると、くしゃみや鼻水を抑えるお薬が処方されますが、その種類によっては長期服用により認知症になったり、認知症が進行してしまうおそれがあります。
 花粉症によく効くお薬の多くは抗コリン系と呼ばれ、唾液の分泌が減って嚥下に影響する、便秘になりやすい、認知機能の低下といった副作用が指摘されています。アセチルコリンという神経伝達物質の働きを阻害するお薬なんですが、例えばアルツハイマー病ではアセチルコリンが減少しているので、その働きが阻害されると認知機能が更に低下してしまいます。
 そこで、日本老年薬学会が「日本版抗コリン薬リスクスケール」を2024年5月に作成しました。日本で用いられる158種類の薬物を、最もリスクの高いスコア3からスコア1の3段階で評価し、スコア3が37薬物、スコア2が27薬物、スコア1が94薬物となっています。「薬剤師、医師・歯科医師、看護師やその他の医療介護専門職全般」が利用できます。
 抗コリン薬の適応症は花粉症の他、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息、パーキンソン病、過敏性大腸症候群、過活動膀胱、頻尿、尿失禁など幅広く、高齢になるほど重複して服用しているおそれがあります。その場合、高いスコアの薬物を低いスコアの薬物に置き換えるなど検討することになります。

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