伊丹、西宮、宝塚で暮らしてきました。

院長の十亀智彦(そがめ ともひこ)と申します。

1969年10月31日、昔の伊丹市民病院で生まれた男子。

天神川幼稚園、摂陽小学校、伊丹西中、伊丹西高の出身です。

その後は市外に出て関西学院大学社会学部中退。

関学生協の書店で約12年勤めて一身上の都合で退職。

大阪市住吉区の関西医療学園専門学校で3年間学び

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の免許を取得しました。

資格は他にキャリアカウンセラーおよび産業カウンセラー

趣味はゴルフ。たまに短歌を詠みます

開院のきっかけ

12年間書店で勤める中で精神的に非常に疲れまして、まず仕事を辞めました。38歳にもなるというのに、転職先どころか何をするかも決めないうちに辞めてしまい、能登半島沖地震のボランティアやフィリピンの子どもたちに奨学金援助をするボランティアに参加するなどして過ごしていました。

次なる仕事についてはすでにキャリアカウンセラーという資格を取得していたので、メンタルケアに関する仕事をしようと思い浮かべてはいました。やはり、自分自身がうつ状態になりやすいので、自分と同じようにつらい思いをしている人たちに役立ちたいと思っていたのです。

そんな中、たまたま受けたマッサージが心にも効くと実感し、心のケアをするには会話をするだけじゃなく身体に働きかければもっと効果的なはずだと思いました。そこで、どうせやるなら最も歴史のある鍼灸、あん摩マッサージ指圧からやろうと決断し、専門学校に入学したのです。

在学中の3年間は、治療院でバイトする中で治療経験を積んでいくというのがこの業界の常識になっています。私の場合は、カイロプラクティックの治療院と、中国整体の整体院で働いてきました。鍼灸については、月に4~5回ある日曜日のうち2~3回は勉強会に参加してきました。

はじめは、うつ病に悩む患者さんが来られるような治療院を開業しようと思い描いていましたが、近年のうつ病患者には、自分としてはどうしても共感できないケースが少なからずあるとわかり、考え直すようになりました。

そんな中、3年生の夏に参加した研修で、在宅の高齢者がおかれている現状を見て、これはなんとかしないといけないと思いました。研修先は奈良の中規模病院の中にあり、鍼灸治療の保険適用を求める運動を初めに起こしたという歴史のある治療院です。

そこで鍼灸マッサージ師の先生方に密着見学させていただいたのですが、往診で訪問した在宅の高齢者のみなさんがとても心配になりました。真夏の炎天下でクーラーのつけ方もわからなくなったおばあちゃんがいて、とりあえず治療の間だけ窓を閉めてクーラーを入れ、治療が終わるとクーラーを切ってまた窓を開け、風通しをよくして退出しました。ご家族の娘さんは仕事に出かけており、夕方に帰ってくるとのことでした。毎日がこんな状況なのです。

全国各地で医師不足が問題となり、救急車で運ばれた妊婦がたらいまわしにされて亡くなるという事件もありましたが、在宅高齢者の問題については、医療の不足とか介護サービスの質などという以前のレベルで、日常の安否確認さえ足りてないんじゃないかと思いました。それでもうとにかくこのたいへんな現場に行く仕事がしたくなったのです。

そこで、患者にとっては保険が使えて利用しやすく、治療家にとっては事業にしやすい訪問マッサージで、思い切って開業することにしました。自分自身が生まれ育ち、よく知りぬいた土地で、訪問専門で開業すれば、最も低コストで質の良いサービスが提供できるからです。

治療法や特徴

保険適用のマッサージなので、医師が書いたマッサージ同意書に従って施術するというのが基本ですが、それなら他の業者もやってます。そこで、私は東洋医学とカウンセリング、そして認知症ケアを取り入れ、付加価値をつけています。

マッサージに東洋医学を取り入れるとなると、経絡指圧というのがあります。マッザージで軽く身体に触れていく中で、最も虚している経脈と最も実している経脈をとらえます。そして、虚している経穴には補う指圧、実している経穴には瀉的に指圧し、東洋医学の基本である補瀉の手技で身体に備わる自然治癒力を引き出します。

カウンセリングは、在学中に少しの間でしたが、市内の特養でボランティアさせていただいてました。高齢者のみなさんもやはり人間ですから、人間関係としても、性格的にも孤独な方はおられます。しかも永い人生を生きるうちに誰にも替えられない個性をもっておられます。そうした方と双方向的にお話するのは簡単ではありませんが、目を反らさず向き合い、相づちをうち、大事な言葉を繰り返すといったカウンセリングの技法をもって日常的に接することで少しずつ打ち解けていきます。

認知症ケアというのは、認知症という症状についてよく知り、適切に対応することです。たとえば、定年退職して久しいおじいさんが認知症になり、今から出勤すると言い出した時、もうとっくに退職してるやんか、などと言い返すのはNGです。どうして出勤すると言い出したのか?という背景について考えてみると、このところ忙しくてちょっと邪険な扱いをしていたので、おじいさんは自分が役に立つ人間だということをアピールしたかったのかもしません。とはいえ、おじいさんは現にいま出勤しようとしていますから、まずはいっしょに出かけてみましょう。車に乗って昔話しながらドライブするうちに落ち着くことがあります。

この他にも認知症には物盗られ妄想、徘徊、異食といったさまざまな周辺症状がみられます。我々マッサージ師は認知症の患者さまと二人きりになることがありますから、こうした認知症にみられるケースに対応できるようにしておく必要があります。そして、最も大切なのは、認知症の高齢者の方に愛情をもって接し、いつくしむようにお身体に触れることです。そうすることで、周辺症状が改善されることが本当にあるのです。

いちばん大事にしていること

患者さまを中心に考え、行動することです。医療は患者中心であるべきだとされていますし、カウンセリング理論の主流は来談者中心療法であり、患者の話を評価することなくすべて受け入れ、深く共感することが基本です。そして、東洋医学は年齢や季節に適応する養生法がベースにあります。患者自身の力では追い出せない邪を、治療家が支援することで患者自身が追い出すというのが治療のあり方だと思います。

夢、目標

人生の幕を閉じようとしている高齢者や難病に苦しむ人たちが、明日死ぬをわかっていてもいきいきと生きていける社会にしたいと思っています。私たちが生きている社会において、生と死をつなぐ一貫した哲学、思想みたいなものを探求しています。亡くなっていく人たちにあたたかくてやさしい社会であれば、まだまだ永い人生が待っている子供たちや、これから生まれてくる赤ちゃんにとっても、その未来は夢と希望に満ちあふれたものになると確信しているからです。

院長のポートレイト