梅雨入りして外はどんより曇り空。こんな時期に脳梗塞後遺症などの患者様から、「雨が降る日は特に痛い」と言われることがあります。脳卒中は寒い季節に起きやすいといわれますので、再発の予兆ではなさそうです。おそらくは神経痛や関節痛だと考えられます。

雨が降ると関節が痛むというのは、病気の人に限らず、健常者にもよく自覚されますね。気象の変化によって様々な症状が引き起こされるのを総称して気象病といいます。天気の変化によって痛みが出るのは天気痛と言われ、専門家によってきちんと研究されています。

雨が降ると痛いというのは、正確にいうと気圧が急に下がり始めると痛みが出るということのようです。いくつもの研究で何百人とか何千人もの患者が調査され、そのような結論が出ています。

では、痛みが出る理由は?こちらは結論ではなくて仮説が立てられています。低気圧になると酸素が薄くなるため身体は休もうとします。言い換えれば副交感神経が優位な状態ですが、優位になり過ぎると身体がダルくなります。雨が降っていると昼間でも眠かったり、憂鬱な気分になることってありますよね。こうなると更に痛覚神経に影響が及んで痛みを感じやすくなるそうです。

一方、これとは逆の仮説もあります。気圧が下がると交感神経の方が刺激されるというものです。気圧が下がると、身体はそれに順応しようとして血圧が上がり、心拍が速くなります。これは交感神経が優位な状態で、血管収縮やアドレナリン放出が痛覚受容器の反応を高めてしまいます。気圧が下げ止まって一定に保たれるとやがて血圧が下がり、心拍も落ち着き、痛みは治まります。

交感神経と副交感神経とを合わせて自律神経といいますね。お互いのバランスを取ることで体調が維持されていますが、上記のようにどちらの仮説であっても、気圧変化が起き始めると自律神経が乱れやすいということになります。

私たち自身の身体には内耳に気圧センサーが備わっていますが、自律神経が乱れるとセンサーが適切に反応しなくなり、痛み出るなどの症状が起きるとされています。

ちなみに、マッサージや鍼灸は交感神経を抑えて副交感神経を優位にする効果があると研究により証明されています。逆に意欲が低下している認知症の患者様に歩行訓練や筋トレをしていただくことはよくあります。こちらは交感神経の活性化になりますね。私ども訪問マッサージには、患者様の自律神経をバランスよく整える効果もあるのです。

「最近認知症と診断されたけど、自宅で一人で何もせずに過ごしている」お父様や、「骨折の後遺症で雨が降ると関節が痛い」と言うお母様がおられましたら、ぜひ当院にご相談ください。フリーダイヤル 0120-210-774 まで。受付は日曜以外のいつの日でも8:00〜20:00です。メールアドレスは、info@rbw7.com です。当院ウェブサイトのメールフォームをご利用ください。